たいやき ともえ庵で働くということ(10) 【細かいけど優しい店】

たいやき ともえ庵では、正社員、アルバイトのどちらも、仕事の指導や指示は、優しく行うことを心がけており、実際にそのように店は回っている。
たいやきは楽しい食べ物なので、それを出す店側も楽しい気持ちで働くことが大切だと考えているから。

ただし、これは「甘やかしている」ということではない。
仕事への取組み、たいやきを始めとするメニューの品質、楽しく食べていただける接客等、店として大切なことは妥協せず厳しく目指している。

でも、それを伝える際に威圧したり、怖かったりする必要はまったくない。
目指す姿とその理由をしっかりと伝えること、常に細かく指導することの方が威圧するよりはるかに効果があると考えて実践している。

だから、注意はかなり細かいこともある。

「頭巾のマークが正面からずれてるよ」
「エプロンが少し下がってるよ」
「自分の顔に手が触れたら、アルコールで消毒して」
「さっきのお客さんへの説明はちょっとわかりにくから、こういう風に説明して」

服装、衛生管理、接客の言葉や態度。気付いたら都度注意する。

映画の世界には「神は細部に宿る」という言葉があるらしい。撮影のセットや小道具、もちろん演技にも、人が気づかないような細かい点にリアルを追求しないと良い映画は作れないという意味だ。
似たような言葉はアメリカの小売業の業界にもある。「リテール is ディーテール」小売店(リテール)の店づくりには細部(ディテール)まで意識を巡らせることが大事ということ。映画にも通じている。

ともえ庵もディテールを大切にする店でありたいので、常に細かいことをたくさん、そのぶん優しく注意するように心がけている。

ただし、優しくないこともある。
お客さんに迷惑を掛けたり、露骨に手を抜いたりする人には厳しく対応する。とはいえ、仕事上のミスや能力の不足で厳しく怒ることはない。
怒る基準は「お客さんや仕事をナメている」時だけだ。

お客さんに喜んで欲しいという気持ちが根底にあれば、それだけで十分良い人材だと思っている。

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