無限に冷めないたいやき・・・「たいやきカイロカバー」を作りました

 ともえ庵のたいやきをモチーフにしたカイロカバーを作りました。中に使い捨てカイロやベンジンを燃料にする「白金カイロ」を入れて使います。

一見、食べられるたいやきかと見紛うリアルな姿、そして触れると温かい。もはや本物のたいやきと言っても過言ではない・・・いえ、さすがにそれは過言、食べることはできません。でも、冬を温かく、楽しく過ごせること請け合いのカイロカバーです。

ともえ庵の店頭と、当店が運営しているたいやき雑貨販売サイト「食べられないたいやき屋」にて販売させていただきます。

■持ってて楽しく、人に見せるともっと楽しいカイロカバー

 ぱっと見は食べられそうなたいやきです。

 普段、たいやき
ともえ庵で販売している袋に入れるともっとたいやきに見えます。

そして温かい。

食べられさえすれば本物のたいやきです。食べられませんが。

 中にはカイロが入っています。

 使い捨てカイロだけでなく、「白金カイロ」も入ります。

 人に見せ、触ってもらうと確実に驚かれます。

■開発の経緯

・きっかけは「たいやきマスク」

もともとのきっかけは、ヒット商品になっている当店の「たいやきマスク」http://www.tomoean.net/2020/06/02/83091641/ でした。

たいやきマスクを作る際に、リアルな写真を使う案があったのです。デザイナーさんが、インクジェットプリンターで生地に印刷することができることを教えてくれました。しかも小ロットで製造できると聞くと、零細商店としては非常に魅力を感じました。

 さっそくたいやきマスクのデザインをたいやきの写真を使ったものにしようと検討したのですが、写真ではリアル過ぎて可愛くないこと、写真を印刷する場合には化繊の生地を使うか綿生地に下処理を施さないといけないため、通気性や肌触り等が損なわれると考えて断念しました。

ただし、そのまま諦めた訳ではありません。この化繊生地にインクジェットプリンターを使って写真印刷をしたものを使って最初に作ったのが「リアルたいやきクッション」です。通常だとありえない大きさのクッションは注目を集め、安定してご注文をいただける雑貨になりました。

クッションを作りながら、次に考えたのは、そのまま湯たんぽのカバーが作れないかということです。中に湯たんぽが入っていてひと晩温かい大きなたいやきを抱きしめて眠る、そんなイメージです。

ただ、湯たんぽをどのように仕入れるか、湯たんぽの形状とたいやきの形が合わない部分をどのように処理するか等の課題があるきとに気付きました。さらに、湯たんぽ自体を使う人はそれほど多くないので、わざわざ少し値段が張る湯たんぽカバーを買っていただけるかどうかわからないことも課題でした。

そこで、いきなり大きな湯たんぽを作ることは断念し、同じように温かいことが特徴で手ごろな大きさのカイロカバーを作ることにしました。

・まずは素材選び、途中で大きな方針転換が

最初に行ったのは生地の選定です。専用のインクジェットプリンターで写真を印刷するので化学繊維を使うことは決めていましたが、化学繊維にも多種の素材があります。また、生地の織り方でも様々な違いがあるからです。

意識したのは生地の強さと風合い、厚みです。こすれなどの耐久性と、使っている間に生地が伸びて緩まない強さ、カイロなので肌に触れた時に気持ちの良い肌触りは重要です。そして厚すぎるとカイロの温かさが伝わらないので、適度な薄さも必要と考えました。

選んだのが、ポリエステル素材で野球のユニフォームにも使われている生地です。

まずは印刷なしの生地を使ってカイロカバーを作り、使い捨てカイロを入れてみると良い具合です。

これに写真を印刷すれば完成です。ところがここで余計なことを思いついてしまいました。手間をかけて作るカイロカバーなので、使い捨てカイロだけでなく、「白金カイロ」を入れられるようにしたいと思ったのです。

白金カイロについては下で詳しく説明しますが、金属製の繰り返し使えるカイロです。軟らかい使い捨てカイロはカイロカバーの形に合わせて入ってくれますが、金属製のカイロはカバーのサイズをそれに合わせる必要があります。

かなり手間はかかりますが、白金カイロにはそれをするだけの魅力があると考えて、サイズ変更にかかりました。

【白金カイロについて】

白金カイロのことをご存知でしょうか。日本で発明され、1923年に発売された由緒正しいカイロです。ベンジンを燃料に24時間温かさを保ってくれます。

発熱する性能はすごく、表面の温度は65℃くらいになり、直接手では触れないほど。使い捨てカイロとは比べ物にならないくらい温かいカイロです。

燃料を燃やしているように思われがちですが、触媒に気化したベンジンが触れることで酸化反応を起こし、その際に発生した熱で暖をとるという化学反応を生かした仕組みです。

この触媒にプラチナが使われているので「白金」の名前が付いています。

基本的に同じ構造のまま、発売からもうすぐ100年を迎える日本の古き良き時代のものづくりを体現したカイロです。

写真を見ると、アメリカの有名なブランドのライターのようです。使われている燃料もライターのオイルとほぼ同じものです。

日本中で使われていた時代があったので高齢の方はほとんどがご存知ですが、50歳以下の人にとっては逆に新鮮でカッコ良く見えます。高価なものに見えますが、4000円もしない値段で買えるので、むしろ現代で流行してもおかしくないカイロです。

熱を抜き、酸素を取り入れるための穴が孔雀(ピーコック)のデザインになっているのもレトロなカッコ良さです。

使い捨てカイロと白金カイロを比較すると、ランニングコストは変わらないものの、価格、重さ、手触り、メンテナンスの手間はすべて使い捨てカイロの方が優れています。しかし、カイロの本質である温かさは白金カイロが圧倒的に良く、それだけで白金カイロを使う意味があります。

何よりも100年前に日本で開発されたカイロがほとんど変わらない形で受け継がれ、使われ続けているというだけで、使ってみたいと思わせてくれる伝統の逸品です。

白金カイロのサイズに合わせるため、カイロカバーは本物のたいやきよりやや太らせたサイズにしました。たいやきの写真は太らせていることがわからない程度に変形させて使用することにしました。

カバーの中で白金カイロが動いてしまいにくいように縫製方法を工夫したり、プリントすると生地の厚みが微妙に変わることに対応してサイズを変更したり、生地にプリントすると色が暗めになることに対応して元の写真を明るめに設定したりと何度も試行錯誤し、ようやく形になりました。

・実は本物と少し違った色にしています

生地への印刷の際の色の変化にも苦労しました。紙に印刷する場合と布に印刷する場合では発色が変わるからです。生地に印刷すると暗めの色になり、たいやき屋の立場で見ると焼け過ぎて美味しくないたいやきのような仕上がりになってしまったため、画像の処理で色を明るく薄く調整しました。

この調整の際に悩んだのは、本物のたいやきとお客さんのイメージの差です。実際のたいやきはかなり薄い色なのですが、多くのお客さんはこんがりと焼けたキツネ色のようなイメージを持たれているのです。

なので、完全に本物のたいやきの色を再現するのではなく、少し濃いめの色に仕上げました。

■たいやきカイロカバーの使い方

たいやきカイロカバーはそのままカイロを中に入れて使っていただけますが、入れ方には少しコツがあります。

・使い捨てカイロを入れる場合


使い捨てカイロをタテに持ち、中身を下の方に寄せて、上部の角を折りたたみます。


折りたたんだ側をたいやきカイロカバーの入れ口から頭の側に入れます。頭の先に付くように押し込んでください。


頭を下にして、使い捨てカイロの中身を流し込むように落とします。


使い捨てカイロをたいやきカイロカバーの尾の部分に押し込みます。指でカイロの端が尾の先端にいくように押し込んでください。


たいやきカイロカバーを振って、使い捨てカイロの中身を全体に馴染ませます。

 使い捨てカイロの中でも、このカイロカバーに入れて使うのに向いているのが、最近多く見かけるようになった高温タイプの使い捨てカイロです。12時間と通常の使い捨てカイロの半分の使用時間ですが、高く白金カイロにも匹敵するくらいの高温になります。長く屋外で作業される方や、寝る時にお腹などを冷やさないようにされる方には特におすすめです。

 ただ、普通の使い捨てカイロより温度が高いので直接触れると低温火傷の危険があるため、カバーに入れて使うことが必須です。たいやきカイロカバーを活用して下さい。

・白金カイロを入れる場合

次に白金カイロの入れ方です。なお、白金カイロ自体の使い方は本体に付いている説明書等に従ってください。


白金カイロのふたをかぶせた後に、上部をたいやきカイロカバーの入れ口から頭の方に奥まで押し込みます。


入れ口の尾の側を被せて、形を整えます。

 人前で使うと必ず注目される「たいやきカイロカバー」、冬の寒さの中、身体と周囲の空気を暖めるのにご活用ください。
 ともえ庵の店頭と、当店が運営しているたいやき雑貨販売サイト「食べられないたいやき屋」で販売しています。

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