昨日(2017年6月1日)はエアコンの取り付けと排水工事を同時にするため、臨時休業させていただきました。
熱を使うたい焼き屋の店内は常に暑いのが当たり前。冬場はいいのですが、夏場になると40℃を軽く越えるのが普通なので、焼き手はこまめに交代し、水分を摂取しながら焼き続けています。
実際に暑い店に入ってみて驚くのは、トイレに行く回数が減ること。汗として水分が出るとそうなるみたいです。
実はうちの店には、もともと天井に埋め込み型のクーラーが付いています。でも、普段は使うことができません。クーラーの風が炎を散らし、たいやきが焼けなくなるからです。
鉄板がガス台を完全に覆ってしまう量産タイプのたい焼きと違い、うちのような一丁焼きの場合には炎の上にハシ(金型)を突っ込むので、風が炎に当たりやすいのです。
一般的に飲食店の厨房が暑くなるのは避けられないのですが、その中でもかなり暑いのは間違いありません。以前に造船所を見学させていただいた際に見た、炎天下での撓鉄(ぎょうてつ)の工程は見ているだけで嫌になるほど暑そうだったのですが、それに次ぐ暑さかもしれません。
他の一丁焼きのたい焼き店を見ていると、ほとんどの店が、これまでのうちと同様に暑さに耐えて焼いてられます。零細の個人事業が多いこの業界、余計なコストをかけることができないのは同業者としてよくわかります。また、職人さんとして暑さに負けてられるかという心意気もあるのでしょう。
もうひとつは、「暑い時期は休む」という方法です。超季節商品であるたい焼きは、夏場にはかなり売上が落ちるので、思い切って休み、かき氷などの夏場の商品で勝負する、もしくは完全に店を閉めてしまうという方法です。当然、その間の収入は激減するので、それも個人事業のなせる技と言えるでしょう。
とはいえ、零細とはいえ、人を雇用して店を回している当店としては、これ以上、この労働環境は捨て置けません。
何とかならないか検討し、天井のクーラーを撤去して、工場で使われているスポットクーラーを入れることにしました。作業している人の頭の上から太いパイプが垂れ、そこから冷気が噴き出すので、作業者は涼しくても炎には風が当たりにくいというものです。
エアコンの取り付け業者さんが来てくれ、朝9時から始めた作業が終わったのは午後7時。やはり家庭用エアコンとは手間がぜんぜん違います。
そして本日より稼動。まったく焼き場の環境が変わりました。本日の東京は最高気温30℃と暑いのですが、それでも時々、エアコンのスイッチを落とさないと冷えすぎるくらいです。
これでこの夏は、熱中症の恐れなく美味しいたいやきを焼くことができそうです。(恐れがないだけで、今まで熱中症になった店員は誰もいませんが)
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