たいやき ともえ庵では2019年9月11日から10月9日まで、月替りたいやきとして「小布施青りんごたいやき」を提供しています。
レモンより酸っぱいりんご、最初に食べた時にそう感じた「ブラムリー」がともえ庵のつぶあんにマッチした、どこにもないたいやきです。
■小布施青りんご(ブラムリー)について
「ブラムリー」はイギリス原産の調理用りんごです。アップルパイのような製菓に使われます。一般的なりんごとは違い、強い酸味が特徴です。
酸味がある調理用のりんごと言えば、アメリカ原産の「紅玉」が有名です。しかし、「ブラムリー」はさらに酸味が強い、比べ物にならないくらい酸っぱいりんごです。初めて試食した際にあまりの酸っぱさに砂糖をまぶして食べたくらいです。
ブラムリーのもうひとつの特徴は加熱すると実が崩れやすいこと。りんごジャムを作る際、少し煮込むだけでみるみる果実が溶けていきます。
原産国のイギリスではアップルパイやジャムなどに加工されるために栽培されており、イギリス国内のりんごの生産量の45%を占めている人気の品種です。
日本には明治時代に持ち込まれたのですが定着しませんでした。しかし、1990年代になってから長野県の小布施周辺で栽培が始まり、地域の名産品にしようという取り組みがなされています。現在では、長野県以外にも北海道や岩手県でも栽培されているようですが、生産量は圧倒的に長野県の小布施周辺のエリアに集中しています。
■「小布施青りんごたいやき」について
「小布施青りんごたいやき」は、たいやき ともえ庵が毎月違う味のたいやきを提供している「月替りたいやき」のひとつとして発売します。「月替りたいやき」自体は一昨年(2017年)から始めていますが、ブラムリーを使った「小布施青りんごたいやき」は今年、2019年9月が初めての販売です。
もちろん、これまでにブラムリーを使ったたいやきは他店にもありません。
りんごを使った月替りたいやきには、初期から出している「紅玉りんごたいやき」があります。やはり酸味が特徴でアップルパイなどによく使われるりんごです。紅玉は実が固く、たいやきにしても果実の食感が残るのに対して、より酸っぱく、果実がとろけるように仕上がるブラムリー、どちらが好きかは好みにより分かれると思いますが、どちらも試してほしい品です。
参考:ブログ記事「紅玉りんごたいやき」
「小布施青りんごたいやき」は生のままのブラムリーとつぶあんを合わせて焼き上げたたいやきです。最初のひと口からブラムリーの特徴的な酸味と熱でとろけた食感が飛び込みます。そのままだと酸っぱすぎるブラムリーですが、ともえ庵の優しい甘さのつぶあんに包まれることでちょうど良い味わいになっています。
ブラムリーの酸味とつぶあんの甘みの組み合わせをどのようにするか、何度も試して悩んだのですが、ブラムリーの美味しさをガツンと感じてほしいと考え、つぶあんと同量のブラムリー果実を合わせてあります。
■果物の美味しさは甘さだけではありません
このブログに何度も書いていますが、つぶあんと合わせる場合に素材に求めるのは「甘さ以外の個性」です。果物は甘いほど美味しいと思われがちですが、菓子の素材として考える場合には、砂糖と合わせても消えない酸味や苦み、香り、食感などが重要です。
ブラムリーの強烈な酸味はその条件にぴったりのものでした。
たいやき ともえ庵では月替りたいやきに使う素材は基本的に国産のものを使用するようにしています。これまで作ったものの中では、「黒ごま」だけが外国産ですが、それも将来的には国産のものを使いたいと考えています。かき氷のシロップに使う果物についてはすべて国産のものに統一しています。
農業の方々の努力で、これまでなかった果物も国産で作ることができるようになっています。今回使ったブラムリーは、おそらくその強烈な個性から今後の普及が進んでいくと思いますが、その他にも、甘さ以外の個性があるものを見つけ、たいやきやかき氷の形で世に出していければと思っています。
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