ずっと意識していて、作りたかった「ずんだ」のたいやきを月替りたいやきとして出せることになりました。
今年(2018年)はスタートが遅くなったので、6月下旬から7月9日までと変則ですが、普段の小豆とは違う夏らしい美味しさに仕上がりましたので、ぜひお楽しみください。
■ずんだについて
ずんだは東北地方で親しまれている青い豆を使った餡です。
すんだの製法には、枝豆、青大豆から作るものがあります。大豆の中で完熟しても緑色のままのものが青大豆です。青えんどう豆から作るものもずんだと呼ぶことがあるそうですが、青えんどう豆から作った漉し餡は「うぐいす餡」と呼ばれます。
枝豆は大豆の若いものです。枝豆の段階で収穫せず、そのまま置くとさやの中の豆は黄色くなり、大豆になります。また、豆の形が楕円枝豆も乾燥すると丸くなります。
大豆が枝豆として収穫できる時期は地域により違がありますが、おおむね6月~8月なので、ずんだについても、緑色の爽やかなイメージも相まって夏の食べ物として定着しています。
■青大豆から作っています。
一般には枝豆で作るものが知られていますが、ともえ庵では青ばた豆という青大豆を使っています。枝豆と青大豆で試作し、食べ比べたところ、より味が濃く美味しかったので青大豆を選びました。
正直に言いますと、枝豆だとさやから豆を取り出し、薄皮をむくという手間がかかることや、豆が日保ちしないこと、豆の量に対して比較的価格が高いことといったメニュー化を見送っていました。ところが、青大豆から作るずんだもあると知ったので、それであれば可能性があるかと思い試作してみました。とはいえ、味の違いは気になるので、枝豆のずんだと青大豆のずんだ、両方を試作して食べ比べました。結果、青大豆の方が枝豆より美味しいということがわかったので、メニュー化を決めました。
青大豆も若い豆は枝豆です。そこからさらに成熟したものなので、味が濃くなるのは当たり前といえば当たり前のことです。青大豆を茹で、そのまま食べると枝豆と似つつ、よりコクのある味わいになりますから、ビールのおつまみにも合うはずです。
また、青大豆は普通の大豆に比べて油分が少なく、糖分が多いのが特徴です。豆の中には、小豆やえんどう豆などのでんぷん系のもの、タンパク質系の大豆、脂肪の多い落花生などがありますが、青大豆は大豆でありながら、小豆寄りの大豆なので、ずんだにしてたいやきに使うのに適しています。
青大豆はひと晩浸水し、茹でて膨らませたあと、薄皮をむいてから潰し、砂糖を加えてずんだにします。ともえ庵では、あえてゆで時間を少なくして堅めに仕上げ、粒の食感が楽しめるようにしています。
■白玉も合わせて入れました
ともえ庵では普通のたいやきに力を入れており、自信があるのですが、「白玉たいやきが美味しい店」と呼ばれることが多くあります。自家製の白玉はたいやきの味を上乗せしてくれるので間違いではないのですが・・・。
参考記事:一度は食べて欲しい「白玉たいやき」
「ずんだ白玉たいやき」は、青大豆のずんだと一緒にこの白玉を入れて仕上げています。
不思議なことにこのメニューに関しては最初から白玉を入れると決めていました。おそらく「ずんだ餅」のイメージがあったからだと思います。試作してから、ずんだの味を感じてもらえるようにシンプルにした方がいいのかと迷ったのですが、最初のインスピレーションを大切に、白玉を使うことにしました。
メニューを開発している時には特に意識していなかったのですが、東北の方のたい焼き屋さんで、そのものずばり「ずんだ餅たい焼き」というのを出されている店があるそうですが、こちらも白玉を使われているようです。
■夏の定番になりそうです。
「ずんだ白玉たいやき」を食べると、夏らしい爽やかな味を感じていただけると思います。上に書いたとおり、夏の間しか味わえない枝豆ではなく青大豆で作っているので、本当は夏だけにこだわるものではないのですが、きれいな緑色だからでしょうか、やはり夏を感じます。
今年(2018年)は、開発にやや手間がかかり、7月末近くに発売し8月の9日までと短い期間の限定発売になってしまいましたが、次年からは6~7月の定番としてしっかりとひと月の間、お出しできると思います。
まずはこの夏、「ずんだ白玉たいやき」をお試しください。
― 2019年6月14日追記 ―
2019年も6月11日~7月9日まで「ずんだ白玉たいやき」を出しています。
昨年に知っていただいているからか、昨年よりも出足が良く、人気になっています。
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