一番美味しいたいやきの温め方

 たいやき ともえ庵の理想は、すべてのお客さんがたいやきを一匹ずつ買ってその場で食べて下さることです。何といってもたいやきは焼きたてが最高だと考えているからです。

 でも、実際にはお持ち帰りになるお客さんがたくさんいらっしゃいますから、冷めてしまったたいやきを美味しく食べていただける温め方について考えてみました。

 たいやきの温めるのには、電子レンジかオーブントースター、またはその両方を使います。一般的には電子レンジで少し温めてからオーブントースターとしている店が多く、ともえ庵でもそのように案内してきました。

 しかし、人によっては最初にオーブントースターで強めに焼いて、その後に電子レンジで少し温めるのが良いという意見もあります。また、ガスレンジに付いている魚焼きグリルがで焼くのが良いという説や、パンが焼けると上に飛び出すポップアップトースターが良いという意見もありますから、これが良いという方法が確立している訳ではありません。

 しかも、パリッとした食感をうりにしている極端に薄い皮、たっぷりと詰まった餡が特徴のともえ庵のたいやきの温め方は、普通のたいやきと同じ方法でよいとは限りません。

 ということで、いくつかの方法を試してみました。

 試したのは、焼いてから5~10分程度経過したたいやきを袋に詰め、4時間くらい室温に置いたもの。使った器具は以下のとおりです。

・電子レンジ600W

・オーブントースター 上下に熱源 220℃設定

・ガスレンジの魚焼きグリル

■温めてみました

 いろいろと条件を変えて温めてみました。

・温め方1:電子レンジ1分 + オーブントースター2

 電子レンジ庫内に蒸気がこもり、たいやきの表面はフニャっと湿っている。

 オーブントースターは1分30秒ぐらいでバリの部分が完全に焦げる。

 中心まで熱くなっているが、餡の水分がかなりなくパサッとしている。皮はそれほどパリッとしていない。

・温め方2:オーブントースター2分 + 電子レンジ1

 やはりバリが焦げている。電子レンジを開けた際、最初から電子レンジほどではないが、やはり蒸気がこもっている。

 中心まで熱くなっており、餡の水分は温め方1より残っている感じだが、皮はやや湿っている。

・温め方3:オーブントースター2

 やはりバリの部分が焦げている。皮についてはパリッとしており、これまでで一番美味しいが、餡は中心が冷たいまま。餡が冷たいので堅い感じもする。

・温め方4:魚焼きグリル

 最初は火力を絞って焼いてみるがまったく温まる感じがないので、途中から火力を最大にする。表面のみ温まっている感じなので、再度挑戦、次は最大火力で片面2分ずつ焼く。

 皮はパリッとしているがオーブントースターには劣る感じ。餡は温め方3よりはマシだが熱くなっているほどではない。

・温め方5:電子レンジ20秒 + オーブントースター1分30

 電子レンジは庫内に蒸気はあまりこもっていない。オーブントースターではバリが焦げる寸前。(少しだけ焦げかけ)

 皮はパリッとしており美味しい。餡は中心が熱くなる手前くらいの感じで、水分が減っている感じはしない。

・温め方6:オーブントースター1分30秒 + 電子レンジ20

 オーブントースターではバリが焦げる寸前。(少しだけ焦げかけ) 電子レンジは庫内の蒸気があまりない状態。

 皮は温め方5には劣るものの比較的パリッとしている。餡は中心まで熱くなっており、水分も残っている。

■結論

 温め方5(電子レンジ20秒 + オーブントースター1分30秒)、もしくは温め方6(オーブントースター1分30秒 + 電子レンジ20秒)が美味しいと感じました。

 皮の食感を優先するならオーブントースターを後にする温め方5、餡の熱さを優先するなら電子レンジを後にする温め方6ということになり、好みにより意見がわかれる所だろうと思います。個人的には皮がパリッとした温め方5が良いと感じました。

※(2021年1月15日追記)電子レンジにかける時間はたいやきの状況によって多少変わります。冬場の外気の中長時間持ち歩いたものや冷蔵庫で冷やしたものの場合には40秒くらいが適当でした。電子レンジ後のオーブントースターの時間は変わりませんでした。

■注意と反省と余談

・あくまで、ともえ庵の「たいやき」についての温め方です

 繰り返しますが、この温め方はあくまでともえ庵の「たいやき」を美味しく温めることを目的にしています。他の店のたいやきの場合、おそらく温め方が大きく違ってくるはずです。また、おそらくともえ庵のたいやきであれば、種類を問わず同じ温め方ができるとは思いますが、「白玉たいやき」や月替りの各種たいやきの場合にはより良い方法がないとは言い切れません。

・冷凍した場合の温め方はまだわかりません

 もうひとつ、今回はお客さんが買って帰ることを想定した条件で温め直しましたが、焼いた直後にラップでくるんで冷凍したものだと、また違った方法になるので、次の機会には試してみたいと思います。

・一般的な器具を使った場合です

 使った器具についても、現在所有しているものだけです。一般的な電子レンジやオーブントースターなので、ある程度は普遍的な結果だと思いますが、他の特殊な器具を使えば違った結果になるかもしれません。

 今回、試すことができなかったのがポップアップトースターです。ポップアップトースターはオーブントースターに比べて垂直に焼くもの(一般的には食パンですが)を置くため、表面から水分が逃げにくく、食パンの場合にはよりふっくらと焼き上がるので、たいやきには向いていると考えられます。

実は以前、ともえ庵が開店した当時には、余ったたいやきをスタッフが食べるために温め直すのにポップアップトースターを使っていたことがありました。その際には美味しく食べていたのですが、今回のように比較しながら食べた訳ではないので、どちらが良いとは言えません。早い時期にもう一度試してみたいと思います。

 逆にやはりパンが美味しく焼けると評判の「バルミューダ・ザ・トースター」は以前に試してみました。庫内に水蒸気を発生させることでパンをふっくらと焼き上げる機構はたいやきにも向くのではないかと、知人に借りたのですが、パリッとした皮の歯ごたえが特徴のともえ庵のたいやきには水蒸気は向かず、食パンとは違うことがわかりました。

■まとめとして

 今回の試行では、オーブントースターと短時間の電子レンジを併用した温め方5または6が美味しいという結果になりましたが、すべての温め方を試す度に感じたのは、「焼きたてとは全然違う」ということです。

 パリッとした皮はある程度復元できますが、それでも小麦粉の美味しさを感じられるやきたてには及びません。さらに、みずみずしいつぶあんはどのように温めても取り戻せないものだと改めて納得しました。

 温め方のまとめとして言うべきことではないのかもしれませんが、やはり焼きたてを食べて欲しいと強く思いました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次